ハクが天空を駆け上るときと全然違った。
初 夏に入る頃から能生の海上はるか彼方に「水柱」が何本も上がったものだと母から聞いたことがある。その水柱が陸に上がってくることは無かったらしい。水の 神と言われる竜は住処から離れることはあるまい。しかし内陸で生きる竜は水が無くなった住処から天空に舞い上がり遥か彼方の水辺を目指すという。暑さが増 していく北関東から今年も竜が暴れ狂いながら飛び去った。初夏に出会う神隠しとは全く違う爪痕を刻んで去った。
酒縁
巨大ボラ群